TOPIX改革、成長戦略練り直す契機に 市場活性化へ新基準
TOPIX改革、成長戦略練り直す契機に 市場活性化へ

東京証券取引所は今月から、日経平均株価と並ぶ代表的な株価指標である東証株価指数(TOPIX)の改革に乗り出す。現在は原則として最上位市場のプライム市場上場銘柄を指数に採用しているが、今月末からは市場に流通する浮動株の時価総額や年間の売買実績に基づき対象を絞り込む。時価総額や流通量が少ない銘柄を除くことで指数としての魅力を高め、市場の活性化を図る狙いだ。

TOPIX採用の影響と新基準

TOPIXに採用されるかどうかは企業経営に大きな影響を及ぼす。TOPIXに連動する投資信託などの金融商品の資産総額は約110兆円とされ、採用されれば投信などによって自社の株式が継続的に買われる一方、外れれば売られ、株価下落の要因となる。

新基準では浮動株の時価総額を積み上げ、上位97%までに入る銘柄が選ばれる。採用されるには投資家からの評価を高め、時価総額を引き上げることが欠かせない。

企業に求められる成長戦略

企業に求められるのは、成長分野に資金を投じ、中長期にわたり企業価値向上を目指すことだ。今回のTOPIX改革を自社の成長戦略を練り直す契機とすべきだ。

東証は対象銘柄を今月7日に公表し、30日の取引から適用する。銘柄数は現在の約1600社から1000社を割り込むと予測されている。TOPIXの値動きに大きな影響を与えないよう初回の入れ替えは約2年かけて段階的に行うが、その後は毎年実施する。企業は継続的に価値向上に取り組む必要がある。

世界市場での競争力回復へ

日本企業の業績は堅調で、ここ数年は株価も上昇が続いてきたが、世界市場での存在感は決して高まってはいない。競争力を取り戻すには、成長投資によって世界で戦える製品やサービスを生み出す以外にない。金融庁と東証が5年ぶりに改訂した上場企業の行動原則「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」でも中長期的な成長に向けた投資を促している。

企業にとって上場は目的ではなく、資金調達や信用力向上などを通じ、さらに成長するための手段である。上場を生かし、いかに成長につなげるか。TOPIX改革は経営者の意識改革も迫っている。