韓国株式市場が急激な調整局面に入り、日本を含むアジア株全体に連鎖的な下落リスクが浮上している。多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏は、個人投資家が借金をしてまで買い進めた半導体株の暴落が、日韓両市場を巻き込む「株安ドミノ」を引き起こす可能性を警告する。
AIブームに沸いた韓国市場、半導体2社で時価総額の約半分
世界的なAI株相場の高まりを受け、韓国市場には海外大手投資家の資金が流入した。S&P500の時価総額の約30%を占める「マグニフィセント・セブン」に続き、AI向け半導体需要の拡大が期待されるサムスン電子やSKハイニックスに注目が集まった。韓国株式市場の時価総額の約半分はこの2社で占められており、同市場は半導体市況そのものとも言える構造だ。
海外投資家に加え、「アリ軍団」と呼ばれる個人投資家も積極的に買いを入れ、中には借金をして投資する者も現れた。これに引っ張られる形で、日本のキオクシアなどのAI銘柄も上昇。AI銘柄主導でKOSPIと日経平均の連動性は高まっていた。
急転直下の暴落、個人投資家の借金投資がリスクに
しかし、7月13日にはSKハイニックスとサムスン電子が10%以上下落し、KOSPIは8.9%安を記録。16日にも半導体株への売りが再燃し、一時7.6%安となった。米国での金利上昇懸念が背景にある。
真壁氏は「金利が上昇して韓国でSKハイニックスなどの株価が調整されると、個人投資家は借金による投資を続けることが難しくなるだろう。その場合、韓国株の下落に引っ張られて日本株などが調整することも考えられる」と指摘する。借金投資の強制決済がさらなる売りを呼ぶ悪循環に陥る可能性がある。
日本への波及リスクと今後の展望
韓国市場の混乱は、日経平均にも重くのしかかる。両市場の連動性が高まっているため、韓国株の下落が日本の半導体関連株やAI銘柄に波及し、全体の調整を招く恐れがある。世界経済におけるAIの役割は中長期的に増しているが、短期的な過熱感には注意が必要だ。
真壁氏は「いつまでも、AI銘柄による牽引で強気相場が続くとは考えづらい」と述べ、投資家に冷静な対応を促している。



