化学大手の住友化学は、数ある事業の中で農薬を成長分野の一つに掲げる。足元の取り組みや今後の見通しについて、水戸信彰社長に聞いた。
リジェネラティブ農業を目指す
水戸社長は「社会の課題に革新的な技術と製品でソリューション(解決策)を提供するのが目指す姿で、農薬は食糧問題へのソリューションです」と述べ、「(持続可能性だけでなく土壌や生態系の回復もはかる)『リジェネラティブ(環境再生型)農業』を目指しています」と話した。
その背景には、世界人口の増加がある。水戸社長は「世界の人口はすでに80億人を超え、ゆくゆくは100億人を超えます。その時に十分な食糧を供給するには、生産性の向上という要素は欠かせません」と指摘した。
化学農薬とバイオラショナルの両輪
同事業は、化学農薬と、微生物や天然素材をベースにした「バイオラショナル」の両輪で展開する。水戸社長は化学農薬について「2020~24年に世界で市販された33剤の新しい有効成分のうち5剤を住友化学が開発しました」と説明。「我々よりもはるかに(多額の)研究開発費を投じている企業と同程度、あるいは勝るぐらい、新しい剤を出しています」と強みを語った。
バイオラショナルでは、(研究開発段階にある物質や製品を指す)パイプラインが40ほどあり、「絶えずイノベーションを生み出していくのが強みです」と述べた。具体例として、除草剤の一つを挙げた。
このインタビューは、連載「Leader’s View」の一環として2026年8月3日に公開された。聞き手は伊沢友之氏。



