将棋の柵木幹太五段(28)が27日、東京都渋谷区の将棋会館で指された第39期竜王戦決勝トーナメント準決勝(読売新聞社主催)で永瀬拓矢九段(33)に勝利し、挑戦者決定三番勝負への進出を果たした。
異色の経歴の持ち主
柵木五段は1~6組のランキング戦で好成績を挙げた上位11人だけが出場できる決勝トーナメントで、5組優勝者として西田拓也六段、長谷部浩平六段、佐々木勇気八段、斎藤慎太郎八段を破り、タイトル獲得通算5期のA級棋士・永瀬九段にもアップセットを達成。得意の先手相懸かりから主導権を握り、優位を拡大した。この勝利で公式戦12連勝、今期14勝1敗と勢いが止まらない。
1998年生まれ、愛知県西尾市出身。増田裕司七段門下。名古屋大学工学部卒という異色の経歴を持つ。2009年に棋士養成機関「奨励会」に入会後、14年間の苦労を重ね、棋士になるための年齢制限が残り1年に迫る2023年4月、25歳で四段昇段を果たした。フリークラスでのデビューだったが、2025年1月に転機を迎える。
転機となった一局
西山朋佳女流三冠の棋士編入試験五番勝負最終第5局の試験官を務め、勝利。女性初の棋士が誕生する大勝負だったが、柵木四段(当時)が制した。以来の成績は通算50勝15敗、勝率7割6分9厘と飛躍的に上昇。今年1月のインタビューでは「あの一局以来、余計な緊張をすることがなくなった気がします。技術的には急に強くなれた感覚はありませんが、精神的にはすごく成長できたのかなと思います」と語っている。
挑戦者決定三番勝負では増田康宏八段(28)と服部慎一郎七段(26)の勝者と対戦。先に2勝した棋士が藤井聡太竜王(24)=名人・王位・棋聖・棋王・王将と合わせ六冠=との七番勝負に臨む。竜王戦は下位者が一気に大舞台へ躍り出る「竜王戦ドリーム」と呼ばれる特色があり、あと2勝でタイトル初挑戦の夢を掴む。



