昨年11月18日の大規模火災で、大分市佐賀関の漁具製造会社「八潮工業」が焼失した。同社3代目社長の木崎章二さん(78)は自宅も失ったが、県漁業協同組合が新たな工場を整備。木崎さんは漁協職員となり、技術を後進に引き継ぐことになった。
火災で工場と自宅が全焼
火災は昨年11月18日夕に発生。約200平方メートルの工場と木崎さんの自宅が焼けた。焼け跡からは、鉛の重り「どんぐり」の製造に使う鉄製鋳型6種類などが見つかった。木崎さんは「もう仕事はできん」と諦めかけたが、知り合いの漁師から「はよ作ってくれ」と声を掛けられていた。
漁協が工場整備を決断
火災から約1週間後、県漁協佐賀関支店の佐藤京介支店長(54)のもとに、八潮工業の漁具を愛用する漁師から「使い慣れた道具で、漁を続けたい」との声が寄せられた。佐藤支店長は避難所にいた木崎さんに漁協が製造を引き継げないかと打診。木崎さんは承諾した。
新工場で技術を継承
漁協は敷地内の築約50年の倉庫を活用。県と市が各500万円の補助、漁協が約1500万円を負担し、約3か月かけて工場に改装した。工場内には焼け跡から見つかった鋳型や作業台、鉛を溶かす設備を設置。29日のお披露目会で木崎さんは「今まで会社をもり立ててくれた漁師の皆さんへのお礼として、ここでまたやっていく。佐賀関が盛り上がって、復興につながっていけばうれしい」と述べた。



