日本企業の中国進出を巡る状況が変化している。近年「脱中国」の動きが報じられることも多いが、実際には撤退と進出が交錯し、業種によって明暗が分かれている。東洋経済データ事業局と『海外進出企業総覧』編集部の調査に基づき、日本企業の中国進出の実態をランキングで見ていく。
上海市が突出、約2300社が集積
省・直轄市別の現地法人数を集計すると、上位10位は上海市、江蘇省、広東省、遼寧省、浙江省、北京市、山東省、天津市、湖北省、福建省の順となった。日本企業の進出先は依然として沿海部に集中しており、上海市、江蘇省、浙江省からなる華東沿海部や、広東省を中心とする華南沿海部、さらに山東省、天津市、遼寧省といった華北・東北沿海地域が上位を占めた。内陸部で上位10位に入ったのは湖北省のみであり、進出先の地理的偏在は大きい。
1位の上海市は突出しており、現地法人数は約2300社に達する。業種別では電気機器卸売が239社で最多、次いで機械卸売が196社、化学卸売が177社と続く。上海市は中国進出の中心地として多くの日系企業を引きつけている。
江蘇省・広東省も1000社超、主力業種に違い
2位の江蘇省と3位の広東省も、それぞれ1000社を超える現地法人を抱える。江蘇省では機械が188社、電気機器が167社と多い。上海市に隣接し、蘇州市や南京市など中国有数の工業都市を擁することが背景にある。一方、広東省では電気機器が213社、輸送機器が154社で上位となった。香港・マカオに隣接し、深圳市を抱えるIT・ハイテク産業の中心地として発展してきた地域である。上位3地域を比較すると、製造業が中心の地域もあれば、卸売業が主力の地域もあり、主力業種に違いがみられる。
4位以下は100〜400社、遼寧省に集積
4〜10位の現地法人数は約100〜400社程度で、1000社を超える上位3地域との間には大きな開きがある。4位の遼寧省では、機械および電気機器関連の現地法人がそれぞれ45社前後と最も多く、情報・システム・ソフト関連、化学関連が30社余りで続く。大連市を中心に古くから日系企業の進出が進んでおり、現在も多くの現地法人が集積している。
上海市では販売・流通拠点としての機能も高まる
上海市では、販売・流通拠点としての機能も高まっている。卸売業が多くを占める一方、製造業の現地法人も一定数存在し、中国市場向けの生産拠点としての役割も果たしている。日本企業の中国進出は、単なる生産拠点から販売・流通拠点へとシフトしつつある。



