記録的な暑さが続く中、食品メーカーや外食企業が熱湯を使わずに食べられる「冷たいままの食品」の開発を強化している。日清食品は7月中旬、冷水で麺を戻す「冷しカップヌードル」を発売。モランボンはコンロ不要の冷やしスンドゥブチゲを夏限定で展開。外食チェーンも冷やしラーメンやアイスコロッケを投入し、猛暑需要を取り込もうとしている。
熱湯不要のカップ麺「冷しカップヌードル」
日清食品は7月中旬、「熱湯禁止」を打ち出したカップ麺「冷しカップヌードル」を発売した。冷やした水を注ぎ、5分待てば食べられる。熱湯に対応していないカップを使用しており、1971年の発売以来「熱湯禁止」は初めての試み。同社は5年をかけ冷水で麺を戻す独自技術を開発し、記録的な暑さを背景に満を持して投入した。既に品薄となるなど注目を集めており、担当者は「暑い日でも、お湯を使わずにおいしく食べられる」と話している。
コンロ不要の冷やしチゲ
モランボンは韓国料理のスンドゥブチゲ用スープで、「冷やしても 旨(うま) い!」とのキャッチコピーを入れた夏限定パッケージを5月下旬に発売。コンロ不要で冷蔵庫から出して豆腐にかけるだけで食べられる。本場の韓国にはない独自提案という。
外食チェーンも冷やしメニューで勝負
ラーメンチェーン大手「どうとんぼり 神座(かむくら)」は7月1日から、期間限定で「澄みきりお 出汁(だし) の冷たいおいしいラーメン」を発売した。夏を見据え冬場に開発を開始。担当者は夏と同じ環境で味を確かめるべく、運動で汗をかいた上で、冷房を利かせた環境で試食する検証を繰り返したという。努力が実り、7月23日に20万杯の売り上げを達成。同社は「気温が30度以上になると注文率が伸びる顕著なトレンドが出ている」としている。
「神戸コロッケ」など総菜を手がけるロック・フィールドは7月9日から神戸コロッケ元町本店で、揚げたてのトウモロコシのコロッケにミルクアイスを合わせる新商品を発売した。コロッケの平均売上額は7、8月に半分近く落ち込むといい、広報担当者は「新体験の商品として夏にもコロッケを楽しんでもらいたい」と期待する。
エコノミストの見解
ABC経済研究所の熊野英生・代表エコノミストは「人口減が進む市場の中で生き残っていくためには、商品に付加価値を付ける必要がある。多くの企業に求められるのは、暑い夏を収益機会に変えていくアイデアに知恵を絞ることだ」と指摘している。



