羽田空港を内外一体のハブ空港とするかどうかの議論が政治問題化している。甲南大学特別客員教授の加護野忠男氏は、ある空港をハブ空港にするかどうかの決定は空港管理者だけでなく、最終的には航空サービスを提供する航空会社が行うものだと指摘する。滑走路が多数あればハブ空港になるわけではなく、日本の航空サービスがハブ方式になることが航空会社と利用者にとって便利なのかどうかは、冷静に議論され合理的に判断されなければならないと述べている。
ハブ方式の成功事例:フェデックス
ハブ方式が航空サービス業界で注目を集めるきっかけとなったのは、フェデラル・エクスプレス社の成功である。同社はアメリカで初めて全国翌日配送を実現した宅配会社だ。従来、アメリカで翌日配送を行うには高価な航空輸送が不可欠で、コストが高くなり経済的に成り立たないという常識があった。この常識を破ったのがハブ・アンド・スポーク方式の採用である。すべての荷物を1カ所のハブ空港に集めることで、運航路線数と飛行機の数を劇的に減らせるというアイデアだ。
同社がハブ空港として選んだのはテネシー州のメンフィスだった。あらゆる荷物をメンフィスの配送センターに集め、深夜のうちに仕分けをし、翌日に配送するシステムが構築された。サンフランシスコからロサンゼルスへの荷物でも一度はメンフィスまで運ばれる。一見効率が悪そうだが、ハブ方式を用いることで全体のコストは下がる。配送センターは1カ所で済み、飛行機の数も減らせるためだ。
加護野氏は、日本の空港政策においても同様の視点が重要だと示唆している。



