JR西日本の倉坂昇治社長は朝日新聞のインタビューで、2030年度までに行うとしていた運賃の値上げについて「(30年度を待たずに)もう少し早くできないかと思う」と述べ、前倒しを検討する考えを示した。鉄道運賃は設備維持費や人件費などに一定の利益を上乗せした「総括原価」方式で算定され、国土交通省の認可が必要となる。
中期経営計画と値上げの背景
JR西日本は2026年4月に公表した2030年度までの中期経営計画で、「適切な時期」での運賃改定を盛り込んでいた。倉坂社長は今回のインタビューで、インフレや人件費上昇、老朽化した設備の更新需要が高まっていることを背景に、より早期の値上げが必要との認識を示した。同社は国鉄時代末期や民営化以降、大規模な運賃改定を実施していない。
今後のスケジュールと課題
倉坂社長は具体的な時期には言及しなかったが、早ければ2027年度以降の値上げが検討されるとみられる。JR西日本は2025年3月期連結決算で過去最高の営業利益を計上したものの、コロナ禍後の需要回復やインバウンド需要の伸びに対応するため、投資資金の確保が急務となっている。値上げが実現すれば、利用者の負担増が避けられず、地域経済への影響も懸念される。



