大阪メトロは17日、大阪・関西万博で導入した電気自動車(EV)バスが相次ぐ車両トラブルで使用停止となった問題についての調査報告書を公表した。報告書は、EVモーターズ・ジャパン(EVMJ、北九州市、民事再生手続き中)からのバス購入に社内から反対があったが、「万博輸送の成功が過度に重視され、方針を覆す検討は躊躇される雰囲気が全社的にあった」などと指摘した。
社長が謝罪、外部弁護士が調査
大阪メトロの角元敬治社長は同日開いた説明会で「多大なるご心配とご迷惑をおかけした」と謝罪した。大阪メトロはEVMJからEVバス計190台を購入。報告書によると、大型・小型EVバスは万博期間中に832件の不具合が確認された。調査は外部弁護士が実施。大阪メトロ関係者約20人に対する聞き取りを行ったほか、社内文書やメールのやり取りなどを確認した。
購入経緯と内部の懸念
報告書によると、大阪メトロは国産EVバスの導入を目指し複数の国内大手自動車メーカーと交渉したが頓挫。希望する技術や製造スケジュールなどの条件と合致したEVMJと契約した。EVMJは平成31年4月に設立され、報告書は「設立間もなく実績も乏しいEVMJから調達することには一層の慎重さが求められた」と言及。運行を担う大阪メトロのグループ会社「大阪シティバス」はEVバスの維持管理の実績がないことから、EVMJから購入することに難色を示していた。
リスク検証不足と「固着」した認識
ところが、大阪メトロが製造体制や品質管理などのリスクを十分に検証した過程は調査で確認されなかった。報告書は「万博輸送を必ず担う必要があるとの認識に固着していた」とし、「安全対策上のリスクに対する認識が不十分だった」と結論付けた。同社は今月16日、経営責任を明確化するため、購入時の社長だった河井英明氏ら幹部3人が同日付で辞任・降任する人事を発表している。



