田坂広志氏は、新著『目に見えない資本主義』について、「この本は、『新しい資本主義はこうあるべきだ』という私のマニフェスト(宣言)です」と語る。21世紀初頭に資本主義の姿を変えることがライフワークの一つであり、「バタフライ効果で共感のネットワークが広がれば、世界を変えることだって不可能ではありません」と強調する。
渾身の一冊に込めた思い
50冊を超える著書を持つ田坂氏にとって、本作はまさに渾身の一冊だ。「経済危機を引き起こしたグローバル資本主義に対して、世界中の人たちが『やっぱり、あれはおかしかったよね』と思っている。この機を逃してはいけないと、世の中に一石を投じる意味で書き上げました」と述べる。
グローバル資本主義批判と代案の欠如
「市場原理主義」「強欲資本主義」などとグローバル資本主義を批判することは容易だが、その代案を提示する論者は少ない。景気対策は対症療法に過ぎず、ウォール街に活気が戻っても根本問題は消えないと危惧する。
「優れたエコノミストや経済学者がたくさんいるのに、なぜ誰もわくわくするような『資本主義の未来』を語ってくれないのか。その理由は貨幣経済という従来の経済学の“土俵”を超えたところで資本主義のパラダイム転換が起こっているから。大量生産・大量消費時代の古い経済モデルで論じようとするため思考停止に陥っているのです」と指摘する。



