新しい働き方として広がった在宅勤務(リモートワーク)を見直す機運が高まっている。出社と組み合わせた「ハイブリッド型」にする企業が目立つが、望ましい働き方への考えは人それぞれ。模索は続きそうだ。
日本生産性本部が企業や団体に勤める1100人を対象に7月に実施した調査によると、自宅など会社以外の場所で働く人の割合は14.5%だった。新型コロナウイルス下の2020年5月の調査開始時(31.5%)と比べて半減している。
GMOは在宅勤務の推奨を「完全廃止」
在宅勤務を見直す代表格が、IT大手GMOインターネットグループだ。熊谷正寿代表が7月14日、自身のX(旧ツイッター)で、コロナ禍以降続けてきた在宅勤務について「グループとしての推奨は完全廃止」と投稿。コミュニケーションや教育などの面で在宅勤務は「トータルではマイナス」と主張した。
しかし、Xで時間あたりのパソコンのタイピング数などに言及したため、管理強化の印象を持たれ、反発が相次いだ。熊谷氏は1週間後にXで「在宅勤務という働き方そのものを否定するものではない」と釈明し、朝日新聞の取材にも応じ、在宅勤務を一律に禁止するものではなく、運用はグループ各社の判断に委ねると軌道修正した。
LINEヤフーは出社回数を週3に増加
コロナ禍をきっかけに従業員に出社義務を課していなかったLINEヤフーも25年4月、部門ごとに原則週1回か月1回の出社日を設けた。26年5月からは出社回数を増やし、原則週3回の出社を求めている。
LINEヤフーは出社回帰の利点について、日常的な会話を通じた社員どうしの連携や迅速な意思決定をあげ、「組織や社員のパフォーマンスが上がり、プロダクト創出力の向上につながることを期待する」と説明する。
一方、在宅勤務に慣れた従業員からは不満の声が上がる。ある社員は「急な会社の方針転換に社員の反発は相当大きかった。退職を決めた同僚もいた」と話す。
ハイブリッド型が主流に
現状では在宅か出社かどちらか一方ではなく、組み合わせたハイブリッド型の企業が目立つ。22年7月から出社義務をなくしたNTTや富士通も、その後の動向が注目される。



