三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中島達社長は、海外部門の自己資本利益率(ROE)を10%以上に引き上げる方針を明確にした。日銀の利上げを背景に、2026年3月期の純利益は約1.6兆円に拡大。個人向け総合金融サービス「Olive」を軸に収益基盤を固める一方、預金伸び率の鈍化など課題も浮上している。
貸し出しをコントロールするステージへ
中島社長は、今後の貸し出しについて「伸ばしていくことは可能だが、これまでのペースを維持するのは無理だ」と述べた。法人向け貸し出しは前中期経営計画の3年間で約27%拡大したが、新中計では3年間で10%程度の伸びにとどまる見通し。
「マクロ環境として預金が減少に転じる中、貸し出しの増加はある程度コントロールするステージに入った」と中島社長。流動性規制への対応が難しくなっていることもあり、貸し出しの伸びを注視する必要があると指摘。個人向け住宅ローンについては過当競争のため、「対象を厳選して減らしていく」方針を示した。
選別的な貸出対応へ
貸出先の選別については、「案件ごとにクレジットリスクや採算性を十分吟味して取り組むことになる」と説明。貸し出し単体の採算性だけでなく、顧客との取引全体の採算性など目線を上げて審査するとした。ただし、ただ「貸せない」と突き放すのではなく、しっかり寄り添いながら対応するが、ある程度選別的な取り組みになるとの認識を示した。
三井住友FGは新たに中長期目標としてROTE(有形自己資本利益率)15%を掲げる。中島社長は、この目標達成に向けて「金利ある世界」でどう舵取りするかが課題だと語っている。



