2025年3月5日、東京・大手町にあるかんぽ生命保険の市場運用部で、約100億円分の外債を売る取引が約定した。取引相手は、カナダに本店を置く外資系証券会社だった。
この1日前、担当者は約200億円分を売却しようとしたが、それを知った同僚らが待ったをかけ、翌日の取引では売却額が半分に減らされた。
半減した取引にも異論、残る債券は1.7%高い価格で処分
ところが、半減後の取引にも異論が出た。残っていた債券の一部は、別の証券会社との取引で処分され、その際の価格は1.7%高い水準だった。
この一連の取引の前後には、担当チームで激しい議論が起きていた。
運用資産は58兆円超、リスク性資産が10年で2倍に
かんぽ生命は日本郵政グループの一角で、保有する契約数は1700万件超。運用資産は58兆円超と、国内有数の規模を誇る。
かつては国債中心の運用だったが、2007年の民営化、2015年の上場を経て、リスク性資産の比率を高めてきた。外債を含むリスク性資産は2026年3月末時点で約13兆円(22%)となり、10年前の2倍以上に膨らんでいる。
市場運用部の外債為替チームでは、数十億円規模の取引が日常的に行われている。



