牛島信『日本買収』が問う「幹部従業員協同組合」と日本企業のガバナンス問題
牛島信『日本買収』が問う幹部従業員協同組合とガバナンス

弁護士で作家の牛島信氏が、『日本買収 団塊世代の天命』(プレジデント2026年7月31日号)において、日本企業のガバナンス問題の核心を「幹部従業員協同組合」という独自の造語で表現した。この言葉は、戦後日本の企業文化に深く根ざした、社内昇格による社長選出と後継者指名の慣行を指す。

「幹部従業員協同組合」とは何か

牛島氏は、多くの企業を見てきた実感からこの言葉を生み出した。戦後の日本企業では、内部でのし上がった幹部たちから社長が選ばれ、その社長が後継者を指名するというサイクルが繰り返されてきた。株主の議決権は形式的なものとなり、「仲間」同士の強い絆が人事を支配する。牛島氏はこれを「幹部従業員協同組合」と表現する。

牛島氏は1949年生まれの団塊世代。東京大学法学部卒業後、東京地検検事を経て弁護士に。M&Aやコーポレートガバナンスを専門とする牛島総合法律事務所の代表を務め、1997年に『株主総会』で作家デビューした。

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日本企業のガバナンス問題への警鐘

この造語には、日本企業が抱える問題が凝縮されている。内部昇格と仲間内の選考が続くことで、外部からの視点や株主の意向が軽視され、企業の競争力や透明性が損なわれる危険性を指摘する。牛島氏は、M&Aやガバナンス改革の第一人者として、この構造が日本企業の停滞を招いていると警鐘を鳴らす。

『日本買収 団塊世代の天命』では、こうした慣行を打破するための方策も提示されているとみられる。同書は、敗戦から復活した日本経済の道標とも重ね合わせ、団塊世代としての使命を語る内容となっている。

インタビューで語られた核心

牛島氏はインタビュー(聞き手・山川徹、撮影・小西範和)で、「この言葉は私の造語です。戦後の日本企業では内部でのし上がった幹部たちから、社長が選ばれてきました。そして、その社長が後継者を指名する……。株主の議決権を形式にする「仲間」の強い絆。そうした社長人事が何十年も繰り返されてきました。多くの企業を見てきた私の実感を幹部従業員協同組合と表現したのです」と語っている。

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