2026年7月3日、財務省は個人向け国債の最新条件(2026年7月募集分)を公表した。変動10年、固定5年、固定3年の3タイプ全てで金利が上昇し、特に固定5年は1.9%台に達した。本稿では最新金利と、100万円購入時の利子シミュレーションを解説する。
個人向け国債の基本構造
個人向け国債は日本国政府が発行する個人投資家向け債券で、国が元本と利子の支払いを保証するため極めて安全性が高い。1万円から1万円単位で購入可能で、少額投資に適している。3タイプの特徴は以下の通り。
- 変動10年:半年ごとに適用利率が見直され、市場金利の変動に対応。
- 固定5年:購入時の利率が満期まで固定され、安定した利子受取が可能。
- 固定3年:固定5年と同様に利率固定だが、満期が3年と短期。
いずれのタイプも実勢金利低下時には年率0.05%の最低金利が保証される。発行から1年経過後はいつでも中途換金可能だが、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる。
2026年7月募集の金利詳細
募集期間は2026年7月6日から7月31日まで。発行日は2026年8月17日。各タイプの金利は以下の通り。
- 変動10年(第196回債):初回適用利率1.80%(税引後1.4343300%)
- 固定5年(第184回債):1.95%(税引後1.5538575%)
- 固定3年(第194回債):1.56%(税引後1.2430860%)
2026年6月募集分と比較すると、変動10年は0.06ポイント、固定5年は0.09ポイント、固定3年は0.05ポイント上昇。全タイプで金利が上がり、特に固定5年は1.9%台に乗せた。
ファイナンシャル・プランナーの武藤貴子氏は「大切なのは『いつ・何に使うお金か』という目的に合わせて選ぶこと。利子の金額も参考にしながら検討してほしい」と述べている。
100万円購入時の利子シミュレーション
100万円を各タイプで購入した場合の受取利子(税引前)は以下の通り。なお、変動10年は半年ごとに金利が変動するため、将来の利子総額は正確に計算できない。ここでは発表金利1.80%が10年間継続すると仮定した試算である。
- 変動10年:100万円購入、発行日2026年8月17日、償還日2036年8月15日。利子合計は約18万円(年1.80%×10年、単利計算)。
- 固定5年:100万円購入、発行日2026年8月17日、償還日2031年8月15日。利子合計は約9万7500円(年1.95%×5年)。
- 固定3年:100万円購入、発行日2026年8月17日、償還日2029年8月15日。利子合計は約4万6800円(年1.56%×3年)。
実際の受取額は元本+利子合計となる。ただし利子は半年ごとに支払われ、その都度20.315%の税金(所得税・復興特別所得税・住民税)が源泉徴収される点に注意が必要だ。
投資判断のポイント
2026年7月募集の個人向け国債は、前月から全タイプで金利が上昇した。固定5年は1.95%と、預貯金と比較して高い利回りを提供している。元本割れリスクを避けつつ、預貯金以外の運用を検討する投資家にとって、個人向け国債は有力な選択肢となり得る。夏のボーナス時期を前に、安全性と利回りのバランスを考える良い機会だ。



