米国産の生鮮ジャガイモの輸入解禁に向け、農林水産省が9月中にも検討手続きの最終工程に入る見通しだ。全国の農家からは、病害虫の侵入や、安価なジャガイモの流入による国内価格の低下と離農の加速につながるとして、反発の声が上がっている。
農水省のこれまでの対応と米国からの圧力
農水省はこれまで、冷凍ジャガイモの輸入を認める一方、生鮮ジャガイモに関しては、平成18年にポテトチップス用を解禁しただけだった。トランプ米政権が全面解禁を求めていることを受け、農水省は解禁を視野に、リスク評価や検疫協議を進めている。
病害虫リスクと農家の懸念
しかし、ジャガイモシロシストセンチュウなどの害虫やジャガイモ癌腫病などの病気は、一度入り込めば防除が難しく、国内産地に壊滅的な打撃となる。
全国農業協同組合中央会(JA全中)の神農佳人会長らは7月30日、鈴木憲和農水相を訪問し、慎重な対応を求める要請書を提出した。鈴木氏は「国内の生産基盤が弱体化することがないよう、精いっぱい取り組む」と答えた。
JA全中副会長の強い反発
JA全中副会長で北海道農業協同組合中央会(JA北海道中央会)の樽井功会長は、今月18日の記者会見で「病害虫のリスクを高めるだけでなく、ジャガイモの安定供給に向けて努力している現場の意欲を著しく低下させる。断じて容認できない」と述べた。



