トーシンHD、会社更生法適用も上場維持へ 日本初の試みに波紋
トーシンHD、会社更生法適用も上場維持 日本初の試み

東証スタンダード市場に上場するトーシンホールディングス(HD)が2026年5月8日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、同日中に更生手続きの開始決定を受けた。名古屋市に本社を置く同社は持ち株会社で、傘下に携帯電話ショップ、不動産賃貸、ゴルフ場運営などの事業子会社を有する。負債総額は約160億円に上り、今年初の上場企業の倒産となった。

異例の上場維持とその根拠

注目すべきは、会社更生手続き開始後も東証での上場が継続されている点だ。通常、東証の「有価証券上場規程」では、会社更生法の手続きを必要とするに至った場合、上場廃止基準に抵触する。過去に会社更生を申し立てた上場企業は、適用申請段階で上場廃止と判断されてきた。しかし、同規程第601条第1項第3号には「施行規則で定める再建計画の開示を行った場合はこの限りでない」とする例外規定が存在する。

トーシンHDは会社更生法の適用申請と同日に再建計画を提出し、東証がこれを例外に該当すると認定。これにより、当面の間上場が維持されることとなった。この「上場維持型会社更生」は日本初のケースとなる。ただし、同社は後述する理由で東証から特別注意銘柄の指定を受け、内部管理体制の改善を求められており、今後の状況次第では上場廃止の可能性も残る。

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DIP型更生と株主対応の特異性

会社更生手続きの開始後も、従来の経営者が管財人として事業運営を続けるDIP型(Debtor in Possession)を採用。さらに、株主責任を明確化するため通常行われる100%減資も実施しない方針だ。株主優待も例年通りの内容で7月中旬に実施予定で、ゴルフ場の優待料金利用や携帯電話購入時の頭金無料などの優待券を年2回送付する。

しかし、今後はスポンサーを探し第三者割当増資を引き受けてもらう方針で、大幅な希薄化が生じ、株主価値が低下する可能性が高い。ジャーナリストの竹内一晴氏は、信文氏らの指摘として「経営権管理や既存株主の影響力排除が目的では」と疑義を呈している。

特別注意銘柄指定の背景

トーシンHDは、東証から特別注意銘柄の指定を受け、内部管理体制の改善が求められている。この指定は、上場維持の条件として課されるもので、改善が不十分な場合、上場廃止に至る可能性がある。同社の再建計画の実効性と透明性が問われることになる。

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