電話が鳴っても新入社員が受話器を取らない――。一昔前の常識が非常識に変わりつつある。「やりなさい」と言っても「なぜ私がやらなくてはいけないのですか」と聞き返してくる。そんなゆとり世代に対して、一方的に怒鳴り上げるのは逆効果だ。彼らは自分が納得しないと動こうとしないからである。
ギブ・アンド・テークの概念を教える
人材教育サービス会社ウィル・シードの池谷聡商品開発部長は、次のようにアドバイスする。「電話を取らないと言うけれど、先輩や周りにわからないことを教わることがあるだろう。その代わりに君は何をお返しするのか。みんなができることを返し合うことでギブ・アンド・テークが成り立っている。それが人間関係の基本だ。一方的にもらうだけでは関係性は保てない。じゃあ、今君にできることは何なのか。このぐらいストレートに伝えることが重要だ」。
池谷部長は『ゆとり社員の処方せん』の著者でもある。
成長意欲を引き出す指導
ゆとり世代は、親の世代がリストラで苦労する姿を間近で見ているため、一刻も早く成長したいと切望していることが多い。そのため、電話の受け答えのような仕事は自分の成長に役立たないと短絡的に考えてしまう。札幌で若手社員の教育に悩む経営者の相談に乗る田北百樹子社会保険労務士は、「どう私を教育してくれるのですかと上司に真顔で尋ねた新入社員がいた。自分が会社に貢献することなど眼中にない様子で驚いた」と話す。



