セイコーエプソン相談役の草間三郎氏は、ビジネスにおける「断り方」について独自の考えを述べている。断る経験は何度もしているが、何かを断ったり断られたりする場合は、だいたい断られる側にも不備があると考えたほうがいいという。商売は個人対個人であり、相手の立場に立って、断ることが相手にとっていいことだという信念と確信があれば、断られたほうも納得してくれると語る。
協力会社へのシビアな要求と信頼関係
協力会社にシビアな要求をのんでいただくのは、広い意味での「断り」だと草間氏は説明する。相手の取引銀行に「最悪の場合は弊社が保証する」と伝え、資金繰りのバックアップをお願いしたこともあるという。相手に明かしたりはしないが、お互いの信頼関係があってこそのやり方であると述べている。
工場海外移転時の取引先へのお願い
セイコーエプソンが工場を次々に海外に移した1988年頃、地元の諏訪地区には同社との仕事が100%という企業も多かった。そこで草間氏は、「あと3年で取引の割合を3割からゼロに減らし、他の取引先を開拓してください」とお願いしたという。このエピソードからは、長期的な視点と相手への配慮を重視した断り方の姿勢がうかがえる。



