宇宙テーマの投資信託、勢いに陰り スペースX上場境に停滞・縮小
宇宙テーマ投信、勢いに陰り スペースX上場境に停滞

近年大きな盛り上がりを見せた「宇宙」分野への投資ブームが、沈静化しつつある。米国の宇宙企業スペースXが上場した6月前半ごろを境に、宇宙をテーマにした投資信託は停滞・縮小。「旬のテーマは多くの人に知られた時がピーク」という投資信託のよくあるパターンを、今回も繰り返す展開となっている。

投資家から集めた資金をもとに運用会社が国内外の株式などに投資し、その成果を分配する投資信託の業界は、最近まで「宇宙ブーム」真っ盛りだった。

宇宙関連ファンドは純資産5千億円突破も

宇宙関係の73銘柄を組み入れた東京海上アセットマネジメントの投資信託「東京海上・宇宙関連株式ファンド」は、時価総額から費用を引いた純資産が5月に5千億円を突破。ファンドの規模は1年間で3.5倍に拡大した。

ファンドの運用を担う米資産運用会社ヴォヤ・インベストメント・マネジメントのレイモンド・クーニャ氏は「コストがかさんでいた宇宙産業が、技術の進歩で収益の出るビジネスとして成り立ち始めた」と話す。

ビジネスは活況、資金流入で受け付け停止も

たしかに、ビジネスは活況だ。人工衛星による測位データの解析・活用が拡大。人工衛星を打ち上げるロケット開発でも民間企業の参入が目立つ。さらに2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、安全保障予算が世界的に増え、宇宙関連企業の業績を押し上げた。市場からは「宇宙は防衛銘柄」との声も聞かれる。

三菱UFJアセットマネジメントが手がける投資信託「eMAXIS Neo 宇宙開発」は4月、新規受け付けを停止した。購入や売却の際の基準となる基準価額が3年間で3倍以上に増え、想定を超えて資金が流れ込んだためだ。宇宙企業も含む同社の「ベイリー・ギフォード世界成長企業戦略(クロスオーバー・グロース)」も春ごろから資金が急激に流れ込み、こちらは6月に新規受け付けを停止した。

「夢が現実に」と語る実業家のイーロン・マスク氏の存在も、宇宙投資の熱気を後押ししてきた。しかし、上場という節目を迎えたことで、投資家の関心は次の段階へと移りつつある。