プルデンシャル生命に一部業務停止命令、金融庁の処分は当然だ
プルデンシャル生命に一部業務停止命令、金融庁の処分は当然だ

金融庁は、外資系生保大手プルデンシャル生命保険に対し、保険業法に基づく一部業務停止命令を出した。13日から来年1月末までの約3カ月間、新規の保険販売ができなくなる。高い倫理観を求められる金融機関として、あってはならない不祥事である。免許取り消しに次ぐ重い処分は当然だ。

巨額の不正と被害の実態

金融庁は1月に立ち入り検査に踏み切り、調査してきた。プルデンシャルは2月から新規の営業活動を自粛しているが、この間にも営業社員が管理職の承認を得ないまま顧客と接触する事例などが確認された。内部管理体制に重大な欠陥があると判断し、再発防止のため抜本的な社内改革を求める。

外部弁護士による調査報告書によると、営業社員らによる詐取や不正な金銭授受は申告ベースで約61億円に膨らんだ。このうち同社は調査によって52億円を確認したとしている。被害者は794人に上る。同社は不正に関与した社員64人を解雇するなど元社員を含め157人を処分した。

企業風土の根本的改革が必要

調査報告書は、不正の原因を「営業成績を過度に重視する企業風土」と指摘した。完全歩合制で年収1億円を超えるような社員もおり、成果を求め不正に走る社員が増えていった。同社は令和9年から最低保証給を導入するなど社内改革を進めるとしているが、社員に法令順守意識をいかに根付かせるかも厳しく問われよう。

金融庁は、親会社にも業務改善命令を、同様の不正が見つかったグループのジブラルタ生命保険にも一部業務停止命令をそれぞれ出した。日本での事業継続さえ危ぶまれる事態だ。企業風土を根本から変えなければ、営業再開はできないと認識すべきだ。

業界全体の信頼回復が急務

生保では、銀行などへの出向者による情報持ち出しなど不祥事が相次ぐ。ソニー生命保険も営業社員が顧客から金銭を詐取したことが明らかになり、金融庁が立ち入り検査している。信頼こそが金融機関の生命線だ。そのことを業界関係者は改めて銘記しなければならない。