オープンAIで経営幹部が相次ぎ退社、IPO前に「危険信号」
オープンAIで経営幹部が相次ぎ退社、IPO前に「危険信号」

対話型AIサービス「チャットGPT」を手がける米オープンAIで、経営幹部の退社が相次いでいる。米国や中国の同業との競争が激化する中、収益向上への対応が背景にあるとみられる。年内にも新規株式公開(IPO)に踏み切る可能性がある中、経営体制の不安定さが懸念材料となっている。

相次ぐ幹部の退社

法人向け事業を担当する最高収益責任者(CRO)のデニース・ドレッサー氏が13日、従業員に宛てたメッセージで退社を告げた。「オープンAIを去る決断をした。他の機会を追求する」と述べたという。突然の発表に驚きが広がった。ドレッサー氏は2025年12月に米セールスフォース傘下スラックの最高経営責任者(CEO)から転じたばかりで、収益拡大を担う中心人物とみなされていた。

その2日前には、元最高執行責任者(COO)のブラッド・ライトキャップ氏が「新しいことを始める」と退社を表明。4月には元最高製品責任者(CPO)のケビン・ワイル氏らも会社を去った。

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異例の事態と受け止め

AI業界では人材の引き抜きが激しく、幹部や有力研究者の移籍は珍しくない。ただ、「Cスイート」と称される最高幹部らの短期間の相次ぐ退社は、業界内でも異例の事態と受け止められている。AI新興企業創業者で、業界に詳しいケビン・マコーミック氏はX(旧ツイッター)に「IPOを前に大きな危険信号だ」と投稿した。

オープンAIを取り巻く環境は厳しさを増している。収益拡大の要となる法人向け事業は、米アンソロピックに先行され、低価格モデルでは中国勢の追い上げを受けている。幹部離脱の裏側には、サム・アルトマンCEOらによる経営体制の見直しが影響しているとの見方もある。

投資家の信頼への懸念

アンソロピックのダリオ・アモデイCEOも、元はオープンAIの研究担当幹部だったが、経営陣に対する不信感などを理由に退社した。市場では、相次ぐ幹部の退社が、オープンAIに対する投資家の信頼や上場時の企業価値の評価に影響しかねないとの懸念も出ている。

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