オカムラ社長中村雅行、27歳で部長抜擢からコロナ禍の赤字危機を乗り越え5年連続増収
オカムラ社長中村雅行、コロナ禍の赤字危機を乗り越え5年連続増収

オフィス家具国内最大手のオカムラを率いる中村雅行社長は、プレジデントオンラインの動画シリーズ「リーダーの器」第10回に登場し、自身のキャリアと経営哲学を語った。27歳で部長に抜擢され、40代・50代のベテラン社員を率いる苦労から、コロナ禍で直面した創業以来初の赤字危機を乗り越え、5年連続増収を達成するまでの「修羅場の決断」を明かしている。

27歳での部長抜擢、年上の部下との格闘

中村社長は、知人の勧めで受けた採用面接の際、オカムラ(当時の岡村製作所)の存在すら知らなかったという。入社の決め手は「係長にもなれないようなら、他社でも成功しない。ある程度までは我慢しよう」という考えだった。

転機は27歳。設計施工管理部門で突然、部長に抜擢された。当時、部下には40代と50代の課長が3人おり、彼らの給料は自分の2倍から3倍だった。「若造が上司なのかと思われる。一番苦労し、どうすれば人がついてきてくれるのかを学んだのはこの時期」と振り返る。最初は口もきいてもらえず、図面を引く隣に座り「これはどう書くんですか」「これはどうですか」と何度も質問し、2〜3年かけて徐々に打ち解けていったという。「『あいつの言うことはやりたくない』と思われた瞬間、何も進まなくなる。『あいつが言うなら、やるか』と思ってもらえる人間でなければ」と語る。

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コロナ禍で直面した「創業以来の赤字」の恐怖

2020年のコロナ禍は、オフィス需要の蒸発をもたらし、業界全体に激震が走った。中村社長の頭をよぎったのは「創業以来、初めて赤字を出した社長になるかもしれない」という恐怖だった。創業者は「赤字を出したら会社はつぶれる」と常々言い、週休二日制の時代でも、赤字になりそうなら土曜出勤に切り替えてでも黒字を守ったという。今でもオカムラには「2年連続で赤字を出した部門長は交代」という不文律が残る。

そんな重圧と向き合いながら、中村社長が選んだのは「悪いところを思い切って直す」道だった。「危機とは、平時には変えられない仕組みを変えるチャンス。普段はできない改革を、危機の時にこそ進めるべき」と語る。この決断が功を奏し、オカムラは5年連続の増収を達成。赤字を回避しただけでなく、成長軌道に乗せることができた。

リーダーシップの本質:理屈だけでは人は動かない

中村社長は、リーダーに必要なのは理屈や理論だけではないと強調する。27歳の部長時代の経験から、「人を動かすには、まず信頼を得ることが不可欠」と学んだ。ベテラン社員に認められるまで、地道にコミュニケーションを取り続けた姿勢が、その後の経営にも生きている。

現在、オカムラはオフィス家具の枠を超え、働く環境全体を提案する企業へと進化している。中村社長のリーダーシップは、危機をチャンスに変える柔軟性と、人とのつながりを重視する姿勢に支えられている。

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