ドナルド・トランプ米大統領は20日、首都ワシントンのリンカーン記念堂にある反射池(リフレクティング・プール)の改修プロジェクトをめぐり、「卑劣な破壊活動家」による妨害工作があったと主張した。同池では現在、藻の大量発生と塗装の剥離が深刻化しており、再改修を余儀なくされている。
「星条旗の青」に塗装も剥離と藻で台無し
トランプ氏は全長610メートルのプール改修を主導し、業者に水を抜かせて「星条旗の青(アメリカン・フラッグ・ブルー)」に塗装させた。しかし、工事完了直後から塗装が目に見えて剥がれ始め、水面は緑色の藻に覆われた。作業員が濁った水をポンプで汲み出し、過酸化水素を投入して対応に追われているが、トランプ氏は責任を認めず、多くのオブザーバーが指摘する「手抜き工事」という見方を一蹴した。
自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿では、「本日、施工業者と相談した。必要な補修を行うため、再び大半の水を抜かざるを得ないだろう。だが、可能な限り迅速に完了させる」と説明した。
総工費1400万ドル、追加費用は不明
米メディアがこれまでに報じている総工費は1400万ドル(約22億円)に上るが、今回のトラブルでどれほどの追加費用が発生するかは明らかになっていない。
トランプ氏はSNSへの長文投稿で、改修は「卑劣な破壊行為」が起きるまでは「完璧に機能していた」と主張。名前の伏せられた破壊工作員が「ナイフか刃物のようなもの」を池に持ち込み、「長さ250フィート(約76メートル)に及ぶ深い傷」をつけ、「腐食性と破壊性のある化学物質を池に流し込んだ」と述べた。しかし、これらの主張について具体的な証拠は示していない。
元五輪選手を含む複数人が拘束
リフレクティング・プールへの破壊行為の疑いで、これまでに複数人が拘束されている。その一人は、カヌー競技の元選手で五輪出場経験もあるデビッド・ハーン氏(67)だ。
ハーン氏はワシントン・ポスト紙に対し、サイクリングの途中でリンカーン記念堂に立ち寄り、プールの改修の様子を見ていた際に拘束されたと述べた。同紙によると、ハーン氏が屈み込んで剥がれかかった青いペンキの一部に触れたところ、当局者2人に突然包囲され、公物損壊の軽犯罪容疑で逮捕された。
ハーン氏は「私は何も破壊していないし、壊しても剥がしてもいない。何が起きているのか気づいた時には、手錠をかけられていた」と証言。「手を伸ばして、ひらひらしていた剥がれかけの端の部分を掴んだだけだ。それはまだ池の底にくっついていたし、何も剥ぎ取ってはいない」と述べた。
過酸化水素が藻の繁殖を促進か
AFP通信の取材に対し、国家公園局(NPS)からのコメントや事実確認の返答は得られていない。一方、米アトランティック誌が同池の藻を科学的な検査機関に持ち込み、専門家に調査を依頼したところ、藻を除去するために投入された過酸化水素が、結果として別の種類の藻の繁殖を促してしまったことが判明した。



