野村証券の新入社員は入社後1年間、朝の打ち合わせで日経新聞の読み方を学ぶ。各部や各支店のインストラクター(先輩社員)は出社後、新人に経済ニュースの読み方や分析の仕方を教える。この「朝の打ち合わせ」は新人研修の一環であり、情報武装を目的とした実質本位の朝礼でもある。
無給で愛情を注ぐ制度
野村証券独自の人材育成法について、人材開発部の亀之園英一課長は次のように説明する。「新人にインストラクターをつけるようになったのは1971年からです。たとえば支店では、日経新聞の読み方から営業同行、日常業務の相談など、あらゆる面でバックアップする。休日、自宅に呼んで勉強会を開くインストラクターもいます。インストラクターは社長から委嘱されたオフィシャルな仕事ですが、それに対して報酬はありません。無給で無償の愛情を注げというのがこの制度です」
この記事は2009年8月17日発売の『PRESIDENT』に掲載されたもので、ノンフィクション作家の野地秩嘉氏が執筆した。



