今年5月、二大出版取次の一つ、日販グループホールディングスの富樫建社長のある発言がSNSなどで大きな議論を呼んだ。紙の本が売れなくなり、書店も減った。物流費も重くのしかかる。出版社と書店をつなぐハブとなっている取次も業績は厳しい。富樫氏に今後の業界について聞いた。
「撤退も検討」発言の真意
5月の決算会見で「撤退も検討していかなければならない環境が迫っているという危機感を持っている」と発言したことについて、富樫氏は「『取次撤退』というインパクトのあるキーワードが切り取られてしまったのは不本意でした」と振り返る。
その上で、「伝えたかったのは、構造改革を様々なプレーヤーと一緒に進めることができなければ、出版流通を持続できない可能性があるほど厳しい環境に置かれているという危機感です」と語った。
厳しい決算と今後の展望
2025年度の決算では取次事業は減収減益で、赤字幅は前年よりも広がっている。それでも撤退はしないのかとの問いに対し、富樫氏は「取次各社は創業以来、全国の…」と続けた。
出版業界では、丸紅と講談社などが出版取次を介さず書籍を追加配送する取り組みを始めるなど、流通のあり方を見直す動きも出ている。



