創業100年、受け継がれる製法
長崎名物のちゃんぽんなどを製造する長崎市銭座町の「佐藤製麺所」が今年、創業100年を迎えた。1926年に初代の佐藤利久茂が銭座市場の横で製麺業を始め、1947年に事業を引き継いだ2代目の哲朗は長崎生麺組合を設立するなど事業の拡大に尽力。1978年からは3代目の佐藤茂樹さん(72)が跡を継ぎ、長崎県内外の飲食店や社員食堂などにちゃんぽん麺や中華麺を卸している。
製麺方法の特徴について、長女の坂本千恵さん(48)は「ちゃんぽん麺の風味や味わいを左右するかん水の一種『唐灰汁』は、代々受け継がれてきた濃度を守り、麺ごとに小麦粉の配合を変えるなどしている」と説明。製造工程では、麺に加える水の量を、その日の温度や湿度に合わせて職人が調整している。
父の事故を機に家業へ、新商品への挑戦
千恵さんは「学生の頃から休みなく働く祖父と父の姿を見て『自分には無縁だ』と思っていて、大学卒業後も別の仕事に就いた」という。しかし、2019年に父が交通事故で入院し、工場に立てなくなったことから、「自分にできることをやるしかない」と決心した。
家業に入った千恵さんは、つけ麺のような新商品を企画したが、父は「邪道だ」と反対。けんかを経て納得の味に仕上げ、伝統の味を守りながら新商品の開発や海外輸出など新たな取り組みを進めている。



