JX金属、上場1年で株価5倍 AIブームだけじゃない好調の実態
JX金属株価5倍 AIブーム以外の好調要因

上場1年で株価5倍、AI銘柄として注目

非鉄金属大手のJX金属が、株式市場で大きな注目を集めている。同社の株価は2025年3月の上場時の初値から約5倍に上昇し、市場では「AI銘柄」として認知されている。キオクシア、ソフトバンクグループ、フジクラ、村田製作所など、AIブームの恩恵を受ける企業が相次いで株価を伸ばす中、JX金属もその一翼を担っている。

しかし、東洋経済の劉彦甫記者は、JX金属の好調はAIブームだけが要因ではないと指摘する。同社は半導体向けの先端材料を製造しており、AI向け半導体やデータセンター需要の増加が追い風となっているが、それ以外にも業績拡大を支える要素が存在するという。

「3つの事業」で稼ぐ仕組み

JX金属の事業は大きく3つに分けられる。一つ目は半導体向け材料、二つ目は自動車向け材料、三つ目はリサイクル事業である。特に半導体向け材料では、AI向けの高性能半導体に不可欠な素材を供給しており、需要が急増している。一方、自動車向け材料はEV(電気自動車)関連の需要が堅調で、リサイクル事業はレアメタルの価格上昇が追い風となっている。

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劉記者は「AIブームの追い風が最も強いのは半導体向け材料だが、自動車向けやリサイクル事業も成長に貢献している」と説明する。この3事業のバランスが、JX金属の安定した収益基盤を支えている。

株価上昇の理由と上場の経緯

株価が急上昇した背景には、AI関連銘柄としての期待に加え、業績の着実な拡大がある。JX金属は上場後、複数回にわたって業績予想を上方修正しており、市場の期待を上回る結果を出し続けている。また、上場自体も親会社であるJXホールディングスからのスピンオフという形で行われ、経営の独立性が高まったことが評価された。

劉記者は「上場により資金調達が容易になり、設備投資を積極的に行えるようになった」と指摘する。同社は半導体材料の生産能力増強やリサイクル事業の拡大に向け、相次いで設備投資を発表している。

増益の要因と気になる点

JX金属の利益拡大の要因として、劉記者は「価格転嫁の成功」を挙げる。原材料価格の高騰に対し、顧客との交渉で価格に転嫁できていることが収益を押し上げている。また、リサイクル事業では、使用済み製品からレアメタルを回収する技術が競争力の源泉となっている。

一方で気になる点として、競合の存在を指摘する。住友電工も同様の半導体材料を手掛けており、存在感を増している。また、設備投資の拡大が負担となり、キャッシュフローが悪化するリスクもある。

今後の見通しと課題

JX金属は「フォーカス事業」と位置付ける半導体材料で、2028年度までに売上高5000億円、営業利益1000億円を目標に掲げている。劉記者は「AI需要の持続性が鍵となるが、自動車やリサイクル事業の成長も期待できる」と述べる。

課題としては、地政学リスクや原材料価格の変動、技術革新への対応が挙げられる。特に半導体業界は技術進歩が速く、常に最新の材料開発が求められる。JX金属がこの競争に勝ち残れるかが、今後の注目ポイントだ。

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