廃棄予定の制服がPCバッグに生まれ変わる
JR西日本の特例子会社「JR西日本あいウィル」が、廃棄される予定だった鉄道制服の生地を活用し、PCバッグを手作りするプロジェクトを進めている。同社は障がい者雇用を積極的に推進するために設立された企業で、これまで鉄道ダイヤグラムや教本の印刷などを基幹事業としてきた。
デジタル化で変わる業務内容
近年のデジタル化の影響で印刷需要が減少したことから、同社は鉄道業務のDX化を支援する新事業を開始。AIが車両異常を画像診断する際の学習素材となるアノテーション業務を請け負っている。これは画像に手動でマーキングやタグ付けを行う重要な作業で、AI診断の精度向上に寄与している。
制服管理業務の受託
2018年から同社はJR西日本の社員制服管理業務も受託。これまでメーカー直送や現場保管だった業務を一元化し、セキュリティ強化と管理精度向上を実現した。管理する制服は2万~3万点に及び、駅員や乗務員の制服から保線・検修用、さらには「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」専用制服まで、種類は1400以上。サイズ展開も1cm刻みで用意されている。
被服管理センターの泉谷知世氏は「誰にどの制服をどれだけ貸しているか、すべて管理している」と説明。異動時や汚損時には現場からオーダーが入り、センターから発送。返却時は1点ずつ手作業で状態を確認する。作業場は指定された者しか入れず、セキュリティは厳重だ。
廃棄生地のアップサイクル
制服は耐用年数を過ぎると廃棄されるが、同社はその生地を再利用したPCバッグを製作。障がい者社員が手作業で縫製し、一つひとつ丁寧に仕上げている。この取り組みは廃棄物削減と障がい者雇用の両立を目指すもので、JR西日本グループのサステナビリティ戦略の一環でもある。
泉谷氏は「制服は鉄道現場での身分証明にもなる重要なアイテム。その管理を担う責任は大きいが、同時に廃棄品に新たな価値を与えることで、環境負荷低減にも貢献したい」と語る。



