東洋経済が実施した独自調査により、日本の半導体産業が復活の兆しを見せていることが明らかになった。調査は2023年から2024年にかけて、国内主要半導体メーカーや関連企業を対象に行われた。
官民連携が加速
経済産業省は2023年、半導体産業の強化に向けた戦略を発表し、官民連携による研究開発と製造基盤の整備を推進している。特に、先端ロジック半導体の製造技術開発において、複数の国内企業が協力する体制が整いつつある。
東洋経済の取材に対し、ある半導体メーカーの幹部は「政府の支援が拡大したことで、長期的な投資計画が立てやすくなった」と語る。また、別の企業の関係者は「国内での生産能力向上が、サプライチェーンの安定につながる」と期待を示す。
投資額は過去10年で最大
調査によると、2023年度の国内半導体関連投資額は約1兆2000億円に達し、過去10年で最大となった。このうち、約40%が先端技術分野に集中している。特に、AIや自動運転向けの半導体需要が高まっており、関連する研究開発投資が急増している。
一方で、人材不足が課題として浮上している。業界団体の推計では、今後5年間で約3万人の半導体エンジニアが不足する見通しだ。経済産業省は大学や研究機関との連携を強化し、人材育成プログラムを拡充する方針を示している。
国際競争力の回復へ
日本の半導体産業は1990年代に世界シェアの約50%を占めていたが、その後低下が続き、現在は約10%にとどまっている。しかし、今回の調査では、先端分野への集中投資と官民連携の効果により、2030年までにシェアを20%に回復できる可能性が示唆された。
専門家は「技術力の再構築と国際的な協力が不可欠だ」と指摘する。特に、台湾や米国との連携を強化し、先端半導体の製造技術を獲得することが重要とされる。
今後の展望
東洋経済の調査は、日本の半導体産業が復活の道筋を描きつつあることを示している。政府の戦略的な支援と企業の積極的な投資が、長期的な成長の鍵を握る。ただし、人材育成や国際競争の激化といった課題も残されており、持続的な取り組みが求められる。



