いすゞ自動車は、大型路線バス「エルガ」、中型路線バス「エルガミオ」、バッテリーEV(BEV)フルフラット路線バス「エルガEV」の3車種を改良し、発売した。エルガおよびエルガミオでは安全装備の拡充や快適性の向上を実施。エルガEVには寒冷地仕様オプションを新たに設定し、より幅広い運行環境に対応した。
公共交通を支える路線バスには、安全性のさらなる向上に加え、環境負荷の低減や乗務員の負担軽減などが求められている。今回の改良では、エルガシリーズの安全性能、環境性能、快適性・利便性を向上させることで、路線バス事業者のより安全で快適な運行に貢献する。
エルガ・エルガミオ: 安全装備を拡充
エルガおよびエルガミオには、フロントブラインドスポットモニター、交差点警報、電動パーキングブレーキ(EPB)などの新たな安全装備を採用した。
- フロントブラインドスポットモニター+交差点警報: 車両前方の歩行者や自転車を検知するほか、交差点での右左折時に横断歩行者や車両を検知。発進時や交差点通過時の安全運転を支援し、事故の予防に貢献する。
- EDSSと連動する電動パーキングブレーキ(EPB): ドライバー異常時対応システム(EDSS)による車両停止後、自動で電動パーキングブレーキが作動し、車両停止後の安全性向上に貢献する。
- 車輪脱落予兆検知システム(エルガのみ): ホイールナットの緩みに起因する異常な回転むらを検知し、車輪脱落に至る前にドライバーへ注意喚起を行う。大型車の車輪脱落事故の予防に貢献する。
環境性能と快適性を向上
環境性能では、4HK1エンジンを改良し、燃焼性能の最適化や吸排気系の改良により燃費性能とトルク性能を向上させた。低転がり抵抗タイヤとの組み合わせにより、エルガとエルガミオのすべての車型で令和7年度重量車燃費基準(JH25)に適合。エルガのBR5カテゴリーでは基準値を5%上回る燃費性能を実現している。車外騒音規制(UN-R51-03 Phase3)にも対応した。
快適性・利便性の面では、7インチメーターディスプレイを採用して視認性を向上させたほか、メーターディスプレイの各種設定・操作が可能なステアリングスイッチ付きステアリングホイールを採用して操作性を向上。外気導入機能と排出口の最適配置により車内換気性能を高めた外気導入クーラーも採用し、より快適な車内環境を実現している。
エルガEV: 寒冷地対応を強化
エルガEVでは、寒冷地での大型EV路線バス需要に応えるため、プレヒーターを採用した寒冷地仕様オプションを新たに設定した。暖房性能を向上するとともに、冬期の航続可能距離の改善に寄与する。
充電口は、並列駐車時の充電のしやすさを考慮して車両左側面から後面へ移設し、より効率的な充電作業を可能とした。また、保安基準の一部改正に対応するため、車両前部・側面・後部にEV識別ラベルを追加した。



