ハーバード式「灰色決着」の指針:経営の倫理的ジレンマをどう乗り越えるか
ハーバード式灰色決着の指針:経営倫理ジレンマの乗り越え方

経営においては、絶対的善でも絶対的悪でもない「灰色」の判断を下さなければならない局面がある。そのような困難な場面で結論を出すための指針を紹介する。

自社の責任の可能性を公表すべきか否か

数年前に『Inc.』誌に寄稿された記事では、実際の出来事に基づき、ビジネスで厄介な倫理的決断を下すことの難しさの本質を示すジレンマが紹介された。

航空機エンジンの修理を行う年商2000万ドルの会社のCEOは、航空会社からファクスを受け取った。そこには、同社がエンジン部品を修理した8機のジェット機がタービンの不具合で緊急着陸を余儀なくされたと書かれていた。航空会社は「貴社が修理した部品が問題を引き起こした」と主張していた。1時間も経たないうちに電話が入り、もう1機が同じ理由で緊急着陸したと告げられた。さらにその1時間後にも電話があり、航空会社の主張によれば、合計11機が同社が修理した部品のせいで緊急着陸したという。

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CEOが最初の知らせを受け取った時点で、連邦航空局(FAA)にはすでに通報がなされていた。しかしFAAは同社に閉鎖を命じるまでの介入はしていなかった。また、驚くべきことに、同社の名前はマスコミに嗅ぎつけられていなかった。CEOは、このことが銀行に知れれば融資を引き揚げられるかもしれないと危惧した。だが、FAAが調査を始めている以上、詳しいことが分かるまでじっと待つしかないと自分に言い聞かせた。

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