上場企業の役員で他社の役員を兼任する数が最も多いのは、GMOインターネットグループの熊谷正寿氏と安田昌史氏の2人で、いずれも8社に及ぶ。東洋経済の調べで分かった。
最多は8社、GMOグループの2人
熊谷氏はGMOインターネットグループの代表・会長兼社長CEO、安田氏はグループ代表補佐・副社長CFOを務める。2人が兼任する8社はいずれもGMOグループ企業で、熊谷氏はうち7社で取締役会長、残る1社で代表取締役を務める。
ほぼ毎月開かれる取締役会への出席が懸念されるが、2人とも平均出席率は90%を超えている。
議決権行使助言会社のガイドライン
議決権行使助言会社グラス・ルイスは、業務執行者は3社以上、非業務執行者は6社以上の上場会社で取締役または監査役を兼任する場合、反対投票を推奨するガイドラインを設けている。
その理由として「取締役および監査役は、株主への責務を果たすためには、十分な時間を要すると考える。過剰な兼任数を持つ役員は、会社の非常時に重大なリスクをもたらす可能性がある」「特に業務執行に携わる者は、役員としての職務を十分に遂行できる時間に制限が生じる恐れがあると考える」と挙げる。
グループ企業は例外、国内機関投資家の基準
ただしグラス・ルイスは、兼任先が子会社などのグループ会社の場合には、「当該役員がCEOまたは業務執行を務める企業において議決権行使助言を行う際、例外的に過剰な役員兼任を理由とする反対助言を控える」としており、熊谷氏らはそのケースに当たりそうだ。
国内機関投資家の富国生命も、独立社外の取締役・監査役が当該企業以外に5社以上で社外役員を兼任している場合は選任・再任に原則として反対する、と議決権行使基準で定めている。
東洋経済は、各社の株主総会招集通知や有価証券報告書、東洋経済の「ESGオンライン」を基に、他社での兼任が多い上場企業役員を調べた。熊谷氏らに続いて兼任社数の多い役員は誰か。ランキング化した表をページ下に掲載した。



