富士フイルムは21日、半導体の製造工程で用いる洗浄剤を生産する大分市の子会社工場で新棟が完成し、稼働を始めたと発表した。急速に需要が伸びているAI(人工知能)データセンター向けに対応し、生産能力を従来の3倍に拡大する。
新棟の概要と投資額
新棟は富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(横浜市)の大分工場に設け、最新の自動生産設備や品質評価機器を導入した。延べ床面積は約3600平方メートルで、半導体の表面を研磨剤で平らにした後に残る微量の不純物を洗浄する際に使う「ポストCMPクリーナー」を生産する。投資額は約70億円。
計画上方修正と売上見通し
富士フイルムは当初、生産能力を4割引き上げる方針だったが、先端半導体の需要が大きく伸びている状況を踏まえて計画を上方修正し、生産能力を一段と高めることにした。新棟の稼働により、ポストCMPクリーナーの2030年度の売り上げは24年度と比べ2倍以上に増えるとみている。
開所式でのコメントと関連工場の状況
富士フイルムの岩崎哲也・取締役専務執行役員は21日の開所式で、「世界の半導体メーカーを大分から支え、サプライチェーン(供給網)の安定化に貢献していく」と述べた。
富士フイルムは、熊本県菊陽町にあるグループの工場でも半導体向けなどの材料を生産している。7月28日の熊本地震では同工場で配管の一部が損傷したが、今月2日から順次、生産を再開しているという。



