長年銀行員として個人の家計や企業経営者と向き合い、現在はビジネススクールや財務戦略セミナーで講師を務める桜井潤一さんが、お金を貯めるために避けたい習慣を解説。前編では「お金の置き方」「買い物の考え方」に焦点を当て、後編では日常生活で見落としがちな支出や、お金との向き合い方を紹介する。
コンビニ通いは年間36万円以上の出費に
お金のプロがしないことの3つ目は「コンビニ通い」。桜井さんは「便利だから」という理由だけで毎日コンビニを利用することはないとし、毎日のコーヒーや飲み物、昼食を何となくコンビニで買う習慣はお金が減る大きな原因になると指摘。1日1,000円使えば年間で36万円以上になるという。
銀行員時代に多くの資産家の生活を見てきた桜井さんは、本当に資産を築いている人ほど小さな出費を軽く考えていなかったと振り返る。自身も銀行員時代はお弁当を持参したり水筒を持ち歩いたりと、小さな工夫を続けていた。節約が目的ではなく、「無意識の出費を減らす」ことを意識していたという。
サブスクの放置は年間数万円の損失に
4つ目は「サブスク放置」。動画配信や音楽配信、オンラインサービス、アプリなど、月々数百円から数千円のため気付きにくいが、使っていないサービスが積み重なると年間で数万円になることもある。桜井さんは半年に一度は契約内容を確認し、「最近使っていない」と感じたものは迷わず見直すという。
副業や起業を経験して感じたのは、お金を増やすことよりも無駄な固定費を減らす方が結果が出るのが早いということ。固定費は一度見直せばその効果が毎月続くため、最初に手を付けるべき支出だとしている。
宝くじ頼みはしない、人生を変えるのは日々の行動
5つ目は「宝くじ頼み」。桜井さんは宝くじを資産形成として買うことはなく、年末ジャンボなどをイベントとして楽しむことを否定するつもりはないとしつつ、「これで人生を変えたい」と期待してお金を使うことはしない。銀行員時代に会った資産家で宝くじで資産を築いた人は一人もいなかったという。
一方で、知識に投資し経験を積み重ねた人は着実に資産を築いていた。桜井さん自身も38歳から経営やマーケティングを学び始め、副業を8年間続け、46歳での独立につながり、起業初年度で年商1億5,000万円を達成した。「人生を変えるのは運ではなく、日々の行動の積み重ねだと信じています」と語る。
小さな習慣の積み重ねが資産を築く
「お金を増やす方法」を知りたいという人は多いが、その前に「お金が減る習慣」を見直してほしいと桜井さんは言う。紹介した5つは、どれも特別な知識や才能が必要なものではなく、毎日の買い物の仕方、固定費の見直し、お金の置き場所を少し変えるだけだ。
24年間銀行で数多くの家計を見てきて感じたのは、資産は一度の大きな成功で築かれるものではなく、小さな習慣の積み重ねでつくられるということ。自身も今なお「本当に必要な支出か」「将来の自分にプラスになるお金の使い方か」を問いかけている。お金の管理は我慢の連続ではなく、未来の自分や家族のために使い方を選ぶこと。今日の小さな選択が5年後、10年後の大きな安心につながっていくはずだと締めくくった。



