新日本石油会長の渡文明氏が、過労で長期入院した際に読んだ一冊として、城山三郎著『落日燃ゆ』を挙げている。同書は、東京裁判でA級戦犯として絞首刑となった唯一の文官、広田弘毅を主人公とする。元首相でありながら戦争阻止に尽力した広田は、軍人の妨害により処刑の道をたどるが、裁判で反論や言い逃れをせず、運命を従容と受け入れた。
病床で人生について真剣に考えていた渡氏は、命尽きるまで潔癖に信念を貫いた広田の生き様に深く感銘を受けたという。無事に仕事復帰した後、己が正しいと思った道を迷わず歩む勇気を得たと振り返っている。
著者と書籍情報
『落日燃ゆ』は新潮社から刊行。著者は城山三郎。渡文明氏は1936年東京都生まれ。60年慶應義塾大学卒業後、日本石油(現新日本石油)に入社。2000年代表取締役社長、05年より会長。06年より経団連副会長も務める。



