日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的な利上げを続けた結果、2026年6月の政策金利は1%と31年ぶりの水準に達した。この金利上昇は銀行業界にとって追い風となる一方、バランスシートの状況などによって影響度合いが大きく異なり、明暗が分かれ始めている。
102行を対象にした実力ランキングの作成方法
東洋経済は、主要行や地方銀行を含む全102の銀行を対象に、2026年3月期決算のデータを抽出し「実力ランキング」を作成した。ランキングの作成方法は以下の通りだ。銀行の財務指標から「収益力」「健全性」「運用力」を表す6項目を選び、それぞれを偏差値化。全項目で最高となる「理想の銀行」への近さと、全項目最低点となる「ワースト行」からの遠さを基にスコア化し、高い順に並べている。
収益力を重視した配点と注目指標
配点においては収益力を最も重視した。中でも比重が高いのは、銀行の本業からの収益を示す「コア業務純益」をベースにしたROE(自己資本利益率)だ。資本を効率よく活用した本業収益の拡大がカギを握る。また、「経費率」も高い配点となっている。インフレに伴って人件費やシステム関連コストが膨らむ中で、経費率の重要性が増しているからだ。さらに、前期からの成長性を示す指標として「預金増減率」も採用。預金獲得競争が激化する中で預金流出に見舞われている銀行も多く、業界関係者が最も注視する指標の一つとなっている。
金利上昇で変わる銀行業界の構図
金利1%時代の到来により、銀行の収益環境は改善しつつあるが、その恩恵を享受できるかどうかは各行のビジネスモデルや財務基盤に依存する。特に、預金量が豊富で貸出金利の上昇を享受できる銀行と、預金流出や経費増加に苦しむ銀行との差が拡大している。東洋経済のランキングは、こうした金利ある世界で高い収益力と健全性を維持する銀行を浮き彫りにしている。



