彦根城、世界遺産登録へ新たな推薦書案提出 大名統治システムの実証に自信
彦根城、世界遺産登録へ新たな推薦書案提出 大名統治に自信

滋賀県彦根市にある彦根城が、世界文化遺産登録を目指して新たな推薦書案を文化審議会に提出した。2028年の登録を目標に、地元自治体は「徳川の平和」を支えた大名統治システムの象徴としての価値を強調する。

イコモスの指摘を踏まえた改善

彦根城は1992年に世界文化遺産の暫定リストに記載され、30年以上にわたり登録を目指してきた。滋賀県と彦根市は、2019年度から推薦書案を文化審議会に提出してきたが、2024年にユネスコの諮問機関イコモスから「彦根城単独で顕著な普遍的価値を表現できているかに課題がある」と指摘された。

これを受け、県市は今年5月25日に改善した推薦書案(第5版)を提出。内容は非公表だが、三日月大造知事は「彦根城がいかに重要な城であったかについて、わかりやすく丁寧に説明した集大成」と述べた。

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現存する城の要素と重臣屋敷

彦根城は国宝の天守をはじめ、堀や石垣がほぼ完全な状態で残る。藩主の政治拠点だった表御殿は発掘調査と絵図に基づき忠実に復元され、彦根城博物館として約2万7000点の彦根藩井伊家文書を収蔵する。御殿のほぼ全体が当時の場所で再現された国内唯一の事例とされる。

県市は、イコモスの指摘を踏まえ全国の城と比較した結果、彦根城が大名統治システムの要素を日本一良好に残しているとの確信に至った。特に、二の丸に現存する重臣屋敷3軒の重要性を強調する。

世界的に珍しい政治システム

担当者は、江戸時代に重臣が城郭に集められ大名とともに政治を行ったことは、欧州の封建領主が各自の領地に屋敷を構えたのと対照的で、世界的に珍しいシステムだと説明する。「自分勝手にそれぞれの領地を治めていた領主たちを集住させ、話し合いのもと、幕府が定めた政治方針に従って政治をするようになる。そうすればもめませんよね」と語った。

文化審議会は昨年、遺産価値の説明に課題が残るとして推薦候補に選ばなかった。今回の推薦書案に対する文化審議会の判断が注目される。

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