中東情勢の緊迫化が続く中、4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率1.1%増となり、3四半期連続のプラス成長を維持した。原油輸入の急減がGDPを押し上げる形となったが、市場予想の2%前後を大きく下回った。
個人消費は8四半期ぶりにマイナス
GDPの過半を占める個人消費は0.02%減と、8四半期ぶりにマイナスへ転じた。税制や規制の変更に伴う自動車やエアコンの特需はあったものの、食料品を含む非耐久消費財が減少した。ホルムズ海峡の封鎖が消費者心理を冷やしたとみられる。
企業の設備投資も1.2%減と2四半期連続のマイナスとなった。原油やナフサの供給不安など、先行きの不透明感が影響した可能性がある。
物価高の加速が警戒される
中東危機の中でもプラス成長を維持し、上場企業の4~6月期決算も最終利益は前年を大きく上回って好調だ。しかし、個人消費が腰折れすれば好業績は続かないとの見方がある。
中東情勢次第では7~9月期の成長率が大幅に減速するとの予測もあり、今後の正念場となる。警戒すべきは物価高の加速だ。原油高は包装資材など幅広い商品の製造コストや物流費に波及し、時間差を伴って販売価格に転嫁される。
6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比1.6%の上昇にとどまるが、ガソリン代補助や教育無償化など政府の物価高対策によるもので、日銀によると特殊要因を除けば2.7%の上昇となるなどインフレ圧力は強い。
民間調査機関によると、主要メーカーは9月に約3年ぶりとなる4500品目の飲食料品を値上げする見通しだ。
物価高は円安の影響が大きく、是正には日銀が適切なタイミングで利上げすると同時に、政府も拡張的な財政に対する市場の不安を払拭する努力が重要となる。



