高市早苗政権は来春から2年限定で、食料品の消費税を8%から1%に減税する方向で調整している。だが、朝日新聞が主要企業107社に実施したアンケートでは、減税に賛成した企業は6社にとどまった。
賛成企業の声
ファミリーマートの小谷建夫社長は「実質的な値下げと同等の効果を持つ」と期待を寄せる。ただ、値札を変える必要があることなどから「現場の混乱を避ける制度設計が不可欠だ」と注文もつけた。
反対企業の懸念
減税に反対の企業は29社。アサヒグループホールディングス(HD)の勝木敦志社長が「消費に一時的なプラスの影響はあるだろうが、財政規律を保っていけるのか」と疑問を呈するなど、財政の持続性を不安視する意見が多かった。
減税で財政が悪化すれば、長期金利の上昇や円安の加速につながる。TOPPAN HDの大矢諭社長は「物価高への対応や家計支援の必要性は理解する一方、財源の確保が困難な場合、国債や円に対する金融市場の信認がゆらぐ」とみる。消費税の収入は社会保障費の財源でもある。三井不動産の藤岡千春専務執行役員は「これから社会保障費がどんどん増えていくなかで、減税すべきではないのではないか」と指摘した。
賛否を明かさない企業が約7割
消費減税をめぐる与野党の協議は難航し、調査期間中(7月6~17日)には結論が出なかった。そうした状況を踏まえ、減税への賛否を明示しないで「その他」を選んだ企業は約7割を占めた。キリンHDの南方健志社長は「外食産業への影響を最小化する施策検討や、持続的で公正な税制への早期転換が必要」として、慎重な判断を求めた。



