内閣府は、企業による知的財産など無形資産への投資と活用を後押しする「知財・無形資産投資・活用の指針」を3日にも公表する。無形資産が生み出す中長期的な利益を可視化し、無形資産への投資状況を投資家向けに開示するよう企業に促すことが柱となる。
世界では、知的財産の公表を通じて企業価値を高める動きが広がっている。米国ではハイテク企業などが持つブランド力が企業価値の大きな比重を占め、投資家向けの開示も進んでいるほか、各国で株式売買の判断基準にもなっており、重要性は国際的に高まっている。
対象は特許権やブランド、データ
企業の無形資産には、特許権や商標権、著作権などの法的権利に加え、技術やブランド、データ、それらを生み出す組織の能力などが含まれる。
日本企業の課題と指針の位置づけ
指針は日本企業について「戦略的な取り組みが十分に進んでいない」と指摘。無形資産への投資は、競合他社に対する参入障壁を築き、価格決定力を持つことになるため、企業の成長力につながると強調する。無形資産は「一度創出されると効果を繰り返し享受できる『中長期の成功のタネ』」と位置づけられた。
投資効果の可視化と開示を促進
無形資産への投資は短期的に利益が悪化するように見えるため、経営陣や財務担当者らの理解が得られにくい状況がある。このため指針は、投資効果を可視化していくことや、投資家向けに企業価値が向上していくことを効果的に発信する体制の整備を企業に促す。有価証券報告書に記載して開示する方式などが念頭に置かれている。
部門を越えた人材交流と統括責任者
指針は、顧客などの情報を持つ企業の各部門が有機的に連携できるよう、部門を超えた人材交流を求めるほか、知財・無形資産を統括する執行責任者の配置も提唱している。



