日本だけじゃない長期金利上昇、米欧でも顕著に 世界同時金利高の要因と背景
世界同時金利高、日米欧で長期金利が上昇 要因と背景

日米欧で長期金利が上昇(国債価格は下落)し、「世界同時金利高」の様相を呈している。中東情勢を受けた物価高(インフレ)懸念や中央銀行の利上げ観測の高まり、各国の財政不安などが要因だ。「悪い金利上昇」に歯止めがかからなくなれば、各国経済の重しになることが必至とみられる。

日本は30年ぶりに3%台、米欧も高水準

日本の長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、1日に1996年9月以来30年ぶりに3%台に乗せた。翌2日に3.015%をつけた後、3%を割ったが、11日に再び一時3%台に上昇した。

米国でも長期金利は10日、一時4.9%台をつけ、2023年10月以来の高さとなった。欧州でも9月以降、フランスが08年、ドイツが09年、英国は07年以来の高水準をつけている。英国は主要7カ国(G7)で最も高い。

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低金利からの転換と「震源地」

低物価が定着し、マイナス金利政策などをとった日本や欧州主要国の長期金利は、20年前後にはマイナス圏に沈むなど、極めて低位で推移した。だが新型コロナ禍後のインフレ局面で、米欧では金利が大きく上昇。日本銀行が24年に「異次元」の金融緩和策を転換してからは、日本でも上昇が始まり、昨年10月に「責任ある積極財政」を掲げる高市早苗政権の発足後は1%以上上昇した。

長期金利は、好景気で経済の成長が見込まれる場合にも上昇する。だが今の世界同時金利高については「震源地は米イラン戦争」(みずほ証券の丹治倫敦氏)との見方が多い。

原油高と財政不安が金利を押し上げ

中東での戦闘の終結は見通せず、米国産WTI原油の先物価格は10日、一時5月以来となる1バレル=100ドル台をつけた。原油高はインフレ懸念を強め、金利を押し上げる。インフレは米連邦準備制度理事会(FRB)や日本銀行の早期の利上げ観測を高め、それも長期金利に波及する。欧州中央銀行(ECB)は10日に、利上げを決めた。

さらに、各国財政の持続性への不安も、国債を売る動きにつながる。新型コロナ禍で各国は支出を拡大し、世界の政府総債務は「かつてない水準」に達している。

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