2009年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比0.9%増、年率換算で3.7%増となり、5四半期ぶりにプラス成長に転じた(速報ベース)。しかし、公認会計士・税理士の柴山政行氏は「密かに心配していることがある。ズバリ、倒産が増えるのではないか」と指摘する。
景気回復期に倒産が急増する理由
「景気の転換期には倒産が増える」とよく言われる。景気悪化時の倒産増加は理解しやすいが、景気が底を打ち回復し始めたときこそ、企業倒産は急増しやすい。いわゆる「景気回復期の倒産」である。
その理由について、柴山氏は次のように説明する。景気が悪くなると銀行の融資が厳しくなり、資金調達が困難になる。業績も悪化し、企業は在庫や設備投資を抑え、人員の抑制も図る。これは企業として当然の行動である。
しかし、景気が回復し受注が増え始めると、企業はその受注に対応するために原材料の仕入れや人員補充が必要になる。ところが、売上代金の入金は通常、納品から数ヶ月後となるため、仕入れや人件費の支払いが先行し、資金繰りが急激に逼迫する。このタイムラグが命取りとなり、倒産に至るケースが多いという。
受注増加が招く資金繰りの悪化
景気回復期には、受注が増えることで企業活動が活発化するが、それに伴う運転資金の需要が急増する。銀行の融資姿勢がまだ完全には緩和されていない時期には、必要な資金を十分に調達できず、黒字倒産に陥るリスクが高まる。
柴山氏は、景気回復の兆しが見え始めた今こそ、企業は資金繰りに細心の注意を払う必要があると警鐘を鳴らしている。



