ドナルド・トランプ大統領が大統領復帰後1年目に、一族の暗号資産ビジネスから約14億ドル(約2300億円)を含む巨額の収入を得ていたことが、新たな開示資料で明らかになった。全体の収入は少なくとも22億ドルに上り、不動産関連など他の事業も含まれる。2024年の収入(少なくとも6億2200万ドル)から大幅に増加した形だ。
暗号資産を「詐欺の温床」と呼んだ男の寝返り
2025年の最大級の収入源の一つは、アラブ首長国連邦(UAE)関連の投資会社が、トランプ家の主要な暗号資産企業ワールド・リバティー・フィナンシャルの持ち分の半分近くを買い取ったことだ。この取引は、外交政策と私的なビジネスの線引きを曖昧にするものとして批判を招いている。
トランプはまた、自身のミームコイン「$TRUMP」(トランプコイン)の販売や、ワールド・リバティーによる独自デジタルトークンの販売から数億ドルを得た。6月30日に公表された2025年分の資産報告書にこれらの内容が記載され、大統領の事業運営の内情が明らかになった。暗号資産事業は今やトランプにとって最も収益性の高いビジネスの一つとなっている。トランプは以前、暗号資産を「麻薬取引や詐欺の温床」と批判していたが、その姿勢から大きく転換したことになる。
「利益相反」が浮き彫りに
専門家は、大統領が自らのビジネスに関与することで利益相反が生じる可能性を指摘する。特にUAE関連企業との取引は、中東政策に影響を及ぼす恐れがある。ワールド・リバティーは、トランプ家が主導する暗号資産プラットフォームで、独自トークンの販売を通じて資金調達を行っている。報告書によれば、同社の評価額は数十億ドルに達する可能性があるという。
トランプ氏の収入増加は、2024年の選挙戦で暗号資産業界から支持を受けたこととも関連している。同氏は選挙期間中、暗号資産規制の緩和を公約に掲げていた。今回の開示により、規制当局の監視が強まる可能性もある。



