サマージャンボ宝くじの季節が到来した。6月30日から全国販売が開始される今年は、特別な一枚が加わる。その名は「サマージャンボプレミアム」。1等・前後賞を合わせた賞金は12億円に達し、ジャンボ宝くじ史上最高額を記録する。通常のサマージャンボが1等・前後賞合わせて7億円であることを考えれば、その桁違いの大きさが際立つ。物価高やインフレで暗いニュースが続く中、このような「値上げ」はむしろ歓迎すべきものと言えるだろう。
なぜ12億円が登場したのか
消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は、この大型新人の登場背景に宝くじ販売の事情があると指摘する。近年、宝くじ全体の売り上げは減少傾向にある。年間5つのジャンボ宝くじだけを見ても、平成11年度には5756億円だった売上額が、令和6年には2891億円とほぼ半減した。この減少には複数の要因が考えられる。
一つは購入者の高齢化だ。日本宝くじ協会の調査によると、購入経験者を年齢別に見ると、40代で84.4%、50代で88.7%、60代で86.9%、70歳以上で84.3%と、40代以上に宝くじを買う習慣が集中している。さらに、宝くじ長者白書によれば、1000万円以上の高額当選者の年代は50代・60代以上が合計で約77%を占め、20代・30代は1割にも満たない。高額当選まで10年以上買い続けた人が7割を占めるというデータもあり、若者にとって「タイムパフォーマンスが悪い」と敬遠されるのも無理はない。
5000円は投資か、エンタメ費か
「宝くじは愚か者の投資」と冷笑する声もあるが、松崎氏は「宝くじに払うお金は、とびきり幸せな人生を妄想する時間に対する対価と考えるべき」と述べる。確かに、当選確率は極めて低いが、購入代金は夢を見るためのエンターテインメント費用と捉えれば、決して無駄ではない。1回5000円の投資で、億単位の夢を数日間楽しめるのだから、コストパフォーマンスは悪くないという見方もできる。
実際、サマージャンボプレミアムの登場は、売上減少に歯止めをかける狙いがあるとみられる。高額賞金が話題となり、新たな購入層を取り込む効果が期待されている。一方で、宝くじの売上金は地方自治体の財源として使われるため、購入は社会貢献にもつながる。
愚か者になるか、お金持ちになるか
「もし12億円が当たったら」と想像する時間は、現実のストレスから一時的に逃れる貴重なひとときだ。松崎氏は、宝くじを純粋な投資と見なすのではなく、娯楽として楽しむことが重要だと強調する。購入するかどうかは個人の判断だが、あまり真剣になりすぎず、夢を買うつもりで軽い気持ちで参加するのが賢い付き合い方だろう。
サマージャンボ宝くじの販売期間は6月30日から7月29日まで。抽選日は8月22日。史上最高額の12億円を狙って、今年の夏は一攫千金の夢を楽しんでみてはいかがだろうか。



