廃棄制服をPCバッグに再生、JR西日本の新たな挑戦
JR西日本の子会社「あいウィル」が、廃棄される鉄道制服をアップサイクルしたノートPC用バッグを開発した。この取り組みは、廃棄物削減と障がい者雇用の安定化という二つの目標を同時に達成することを目指している。
プロジェクトを率いる泉谷知世氏は、「最初は何かできないかな、というのがきっかけでした」と振り返る。廃棄制服の有効活用と、障がい者雇用を安定的に続けるために、アップサイクル事業が検討された。
ルーティン化で障がい者も働きやすい環境
アップサイクル工程では、ボタンの除去や裁断作業などの前作業がルーティン化されており、幅広い障がい者メンバーが活躍しやすい。また、完成品の発送作業でも多くのシーンで関わることができる。制服管理業務自体も大半がルーティン化されており、働きやすい環境が整えられている。
泉谷氏は、「裁断について、障がい特性に合わせて曖昧な表現は避け、細かく定義して明確にしている」と説明。ハサミなどの道具の管理も散漫にならないよう管理しやすい道具箱を作り、一定時間でタイマーを鳴らして集中力が切れた状態での作業を防ぐ工夫も施している。
制服の耐久性を活かしたこだわりのデザイン
第1弾として開発されたのは、ノートPC用バッグ。駅や乗務員だけでなく、施設・電気保守社員や車両保守社員の制服もラインナップし、それぞれのポケットやチャックをそのまま活かしたデザインが特徴だ。
制服の仕分け、裁断、梱包発送作業は障がいのある社員が担当し、縫製作業は協力会社が行う。制服生地は本来の用途から耐久性が高く、PCバッグのような製品に適している。
泉谷氏は、「障がい者メンバーの中でも反復作業が得意な方、手先が器用な方などそれぞれ得意なことを活かしていただけるのもアップサイクル事業の特徴」と語る。この取り組みにより、仕事への意欲向上や自信の醸成といった効果も感じられているという。



