中央線から見える「山肌を貫く巨大チューブ」の正体…バブルが生んだ山梨《天空のマチュピチュ》コモアしおつの全貌
中央線から見える巨大チューブの正体…バブルが生んだ天空のマチュピチュ

中央線の車窓から、山肌を貫く巨大なチューブ状の建造物が見える。その正体は、山梨県にある「コモアしおつ」の斜行エレベーターだ。バブル期に計画されたこのユニークな住宅地は、住民にとってどのような暮らしを提供しているのだろうか。

「コモアしおつ」とは?バブルが生んだ天空のマチュピチュ

「コモアしおつ」は、山梨県塩山市(現・甲州市)に位置する丘陵地に広がる住宅地。その景観がマチュピチュに例えられることから、「天空のマチュピチュ」とも呼ばれる。斜面に沿って整備された街並みは、まるで空中都市のようだ。

この街の最大の特徴は、山肌を貫く斜行エレベーター「コモア・ブリッジ」。全長約200メートル、高低差約70メートルを約2分で結ぶ。中央線からもその姿を確認でき、多くの乗客の目を引いている。

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住民の声:実際の暮らしはどうなのか

実際に住む住民は、「コモア内にスーパー、クリニック、小学校があるので便利」と語る。一方で、市役所や福祉センター、市立病院などには車が必要。「気の利いた買い物やレストラン、美術展、コンサートなどは都内に出ないと用が足りないが、電車の本数が少なく、行き帰りが不便」という声も聞かれる。

コモアしおつの暮らしは、街の中と外を行き来しながら営まれている。バブル期に計画され、コモア・ブリッジをはじめ生活に必要なインフラをそろえて生まれたこの街は、交通手段と生活利便性が整えられていたからこそ、山の上の住宅地としての暮らしが成り立ってきた。

35年経っても美しい街並みの秘密

しかし、コモアしおつの魅力は斜行エレベーターだけではない。一歩街へ足を踏み入れると、35年が経過したとは思えないほど美しく整えられた、圧倒的な街並みが広がっている。建築家の宮脇檀さんが込めた街並みの仕掛けが、住み続ける街としてのリアルな課題にどう影響しているのか、後編で迫る。

【参考文献】

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  • 『エレベータ界』27巻105号(日本エレベータ協会、1992年1月)
  • 『都市と交通』25号(日本交通計画協会、1992年11月)