気象庁が2026年4月に最高気温40度以上の日を「酷暑日」と制定したことを受け、外食や小売りの各社が気温に応じた割引やクーポンサービスを続々と導入している。猛暑日や酷暑日には外出を控える消費者が多いが、これを逆手に取り、来店を促す新たな商機として注目を集めている。
生姜焼き食堂、猛暑日100円引き・酷暑日は無料ドリンク
大阪市中央区の「生姜焼き食堂上出来 南船場店」は、2026年7月から大阪府内の最高気温が35度以上の猛暑日と発表された日の午後5時以降、定食を100円割り引くキャンペーンを開始した。さらに、40度以上の酷暑日には自家製のジンジャーエールとジンジャーシロップアイスを無料で提供する。同店を運営する「have」の田端弘一CEO(53)は「ショウガは夏バテ防止に効果がある。酷暑や猛暑の日を来店のきっかけにしてもらえたら」と話す。同キャンペーンは大阪市阿倍野区の西田辺店でも実施中で、来店した大阪府東大阪市の会社員(49)は「物価高の中でうれしいニュース。次は暑い日を狙って来たい」と喜んだ。
焼肉の名門天壇、翌日予報40度以上で1杯目無料
京都や滋賀、東京で「焼肉の名門 天壇」を9店舗運営する晃商(京都市)は、翌日の最高気温予報が40度以上となった場合、対象地域の全店で1杯目のビールやウーロン茶などの「ファーストドリンク」を無料にするサービスを導入した。気象庁の酷暑日制定を活用した取り組みで、猛暑日の外食需要を喚起する狙いがある。
イオン、猛暑日限定100円引きクーポン配布
小売大手のイオンリテール(千葉市)は、2026年7月1日から31日まで、専用アプリで猛暑限定の100円引きクーポンを配布している。このクーポンは、気象情報サイトで猛暑マークが出た日の正午まで利用可能で、冷房の効いた商業施設への集客を図る。日本気象協会の気象予報士、小越久美氏は「今年は湿度が高く、例年以上に蒸し暑い夏になる」と予測しており、こうした暑さ対策サービスへの需要はさらに高まりそうだ。
スポーツクラブNASも猛暑・酷暑割を導入
外食や小売り以外にも、スポーツクラブNAS(東京)は2026年7月18日から全国63店舗で「猛暑・酷暑割」を導入。入会前の体験利用料金を通常税込み1000円から350円に大幅割引し、暑い日こそ運動を促すユニークな試みとして注目されている。
専門家「40度近くになると消費にマイナス影響」
消費動向に詳しい第一生命経済研究所のエコノミスト、新家義貴氏は「ある程度の気温までは、冷房の利いた商業施設に足を運ぶ人が増えるなど消費は活性化するが、40度近くになるとマイナスの影響が強くなる。今後もお得感を演出する動きは出てくるだろう」と分析している。気温上昇が消費行動に与える影響が大きくなる中、各社の気温連動型サービスは今後も拡大が予想される。



