姿消した街の本屋復活へ 下関に書店一体型ホテル
姿消した街の本屋復活へ 下関に書店一体型ホテル

山口県下関市の秋根地区に、書店とホテルが一体となった複合施設「ねをはす HOTEL BOOK&CAFE」が2024年11月にオープンした。経営するのは地元の住宅会社社長、林成吉さん(63)。「はやし住宅」の社長として、姿を消した「街の本屋さん」を復活させようと建設した。

経産大臣表彰を受けた経営者

この施設は、全国で広がりつつある「ブックホテル」と呼ばれる業態で、経済産業省から地域貢献などの評価を得て、2025年5月下旬に「2025年度はばたく中小企業・小規模事業者300社」の経産大臣表彰を受けた。林さんは「企業活動を通して街づくりの可能性を広げていければ」と意気込む。

施設の特徴

JR新下関駅に近く、大型店や飲食店などが集積する秋根西町の大通り沿いに、7階建ての複合施設はある。「書店は地域文化の土壌をつくり、次代を担う子どもを育む役割もある」との信念から建設した。1、2階を書店とし、4~7階にある39の客室には購入可能な本を陳列。施設全体の冊数は2万を超える。名称には「(地域に)根ざす」の意味を込めた。

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林さんは「ここは泊まって本に囲まれ、読書を満喫できる場所。地域の個人・団体に催しや発表の場を提供する文化活動の場でもある」と説明する。7月下旬、1階にあるカフェの席を離れて書店を歩きながら、施設の特徴を語った。木のぬくもりを感じる店内の一角では、地元アーティストの作品展が開催中だった。

地域交流の場

左右の壁面が書棚になっている「大階段」を上がって2階へ。カウンター席では、カフェで飲み物を買った若者らが書棚から手にした本を読むなどしている。下関市の服飾デザイナーのセレクトショップや学習塾も入居。フロントのある3階のレストランでは、宿泊客や地域の女性らが地元食材にこだわった料理を味わっていた。

「キーワードは『わくわく』。日常と非日常が混在し、老若男女が発見や刺激に出会える空間づくりに取り組んでいる。住み心地の良い街づくりの拠点でもありたい」と力を込める。

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